2016年6月19日日曜日

1237 老猫と腎臓病(腎不全)14 皮下点滴を始めてそろそろ半年になります

「とりあえず元気です」
2016年1月上旬から皮下点滴を始めてもう半年近く経ちます。いろいろあったなぁ・・・。
そんなわけで、現況と点滴の話を中心にまとめてみたいと思います。

現在は3ヶ月に1度の血液検査に病院に行くだけで、毎日の皮下点滴は自宅で行っています。
体重は4.3キロから4.5キロを行ったり来たり。足の筋肉などもかなり落ちたままですが、キャットウォークや猫タワーに飛び乗ったり降りたりは普通に行ってます。

夜鳴きはしなくなりましたが、やたらと体を舐めるようになりました。それも「シャワー浴びた?」と勘違いするほどべちゃべちゃに。獣医さん曰く、「ストレスでしょうねー」。確かに点滴はストレスですし、私も病状に一喜一憂、イライラすることが多くなりましたので反省しているところです。
「ハゲになるほど舐めないのであれば様子を見ましょう」ということになりましたが、点滴以外のストレス(原因はたぶん私・・・(汗))を減らす努力をしています。

血液検査の結果は、クレアチニンの値が行ったり来たり、BUNがやや上昇傾向なのでこのまま毎日点滴およびセミントラの投与ということになりました。

その他、個人的に漢方薬の六味地黄丸を朝晩、ねこ缶に混ぜて出しています。これがなかなか大変で、まずねこ缶そのものの味にすぐ飽きるのでとっかえひっかえ。しかしまた食べるようになることもあるのでなかなか大変です。
ちなみに今のお好みは「たまの伝説かつお味」と「チャオ14歳用かつお味」です。後者はペースト状なので漢方薬(粉末)をごまかしやすくて重宝しています。

これらの効果が出てきたのか、1,2月にはあまり食べなかった療法食のカリカリ(腎臓サポートスペシャル、腎臓サポートセレクション)や老猫用カリカリを食べるようになってきました。それでもまだ以前の食欲まではいきませんが、口からちゃんとごはんを食べられるというのは大事です。
「毛づや、いいでしょ?」
皮下点滴ですが、最初の頃はおっかなびっくりで、しかも「やらなきゃ!」と必死になるあまり、それを猫が察して逃げまどう。それをまた必死の形相で追っかける→逃げまどう→追っかける・・・という負のループが。

先日紹介した老猫本にもあったのですが、「必死になると、それが猫には殺気として伝わる」とありました。「わはは、そりゃ逃げるわ〜」と痛感しました。

加えて針を刺す瞬間は手が震える始末。これも伝わってるなぁと思いました。
でも、これは慣れるしか、経験値を上げる、つまり数をこなすしかないんですね。当猫には申し訳ないけど「うまくなるまで我慢してくれ」と。先生や看護師さんだって最初があって、段々経験値を積んでいったはずなんですから。

始めた頃にうまくいかなくてパニックになったり(点滴しないとすぐ死ぬような思い込みがありました・・・)、病院で撮影した処置のムービーを何度も見ながら皮をつまんで針を刺す脳内シミュレーションを何度もやったり、実際皮をつまむ練習を何度もやってみたり、ネットでコツを探したり・・・。

これらも無駄ではありませんが、やっぱり数をこなすのが一番なんですね。
確実に言えるのは、「大丈夫、必ずうまくなるから」。
(ぽてぽてっと歩いていて突然ばたっと倒れるように寝るのはやめてください。若いときは「かわいい〜」で済みましたが、今は心臓に悪いです。)
東京のキャットシェルターの代表の方が「皮下点滴を続けていると、ある時点から猫が『点滴してもらうとなんだか体が楽だぞ』と分かるようになって、『さあどうぞ!と言わんばかりに背中を差し出すようになる」と話されたのですが、そのときはまだ当猫が暴れてばかりだったので半信半疑で聞いていました。

しかし、それがホントに起こりました。
記録によると、点滴を開始してから2ヶ月ちょっとの3月17日。洗濯ネットをかぶせていったんひざの上に載せてからキャリーに入れようとしたのですが、なぜかひざの上でくつろいでいるんです。

フリーズしているのかな?と思ったけど、どうやらそうじゃない。ひょっとしてこのまま点滴させてくれるのかな?と、試しに頭と前足だけに洗濯ネットをかぶせてやってみました。
背中の皮を3本指でつまんでテントを作り、消毒してから針を刺しました。ぎゃっと短く鳴かれましたが、200mlほど入れることができました。

それから1ヶ月ほど経過した4月20日には洗濯ネットも不要になりました。さすがにまだ点滴しているところの写真は撮れないので、別の猫がひざに乗ったときの姿勢が似ているので掲載します。
6ヶ月近く経った現在は、針を刺す時に手が震えることもなく、かなり心に余裕を持って行っています。そのせいか、猫も逃げることも抵抗することもなく(「いや〜ん」というように一声小さく鳴きますが)ひざに乗ってくれ、そのまま最後までおとなしくしてくれます。

輸液の量は猫の様子を見ながら160mlから200mlの間で入れています。平均すると175ml前後でしょうか。猫が嫌がる素振りを見せたら終了にすることもあります。
笑っちゃうのは、針を刺す瞬間に「ごきゅっ」という唾を飲むはっきりした音が聞こえることです。こちらも「ちょっとチクッとしますよ〜」と、病院の看護師さん風に振る舞えるほど余裕が出てきました。

気をつけているのは、針を抜くときに刺した箇所を上から軽く押さえながら抜くこと。採血の際に看護師さんがやる動作ですね。これをやらないと上に持ち上げてしまって針穴の部分が裂けて出血が多くなったり、輸液漏れの原因になるようです。

針はまだ18Gの太い針を使っていますが、最近はほとんど出血することもなく、かさぶたになることもありません。猫がじっとしてくれるようになったのも大きいかもしれません。
それに、針が太いと輸液を入れる時間が短くなることのメリットが大きいです。175mlくらいだと針を刺してから約4分で終了します。

針を抜いてから5分程度、猫をひざの上で抱いたままその場所をティッシュで押さえます。輸液が下に降りていくのを待つのと、針穴が広がらないようにするためです。出血した時は止血の意味もありますね。

それにしても、以前は押さえていても2時間、ひどいときは4時間もだらだら漏れたのに、今はほとんど漏れません。あれは何だったのだろう?と思うほどです。

点滴が終わると「ごほうび」のねこ缶(もちろん漢方薬入り)を与えています。これも点滴を嫌がらない一因かもしれません。

猫が協力してくれると一人でも楽に点滴ができるようになりました。このまま毎日点滴を行うかもしれませんが、何にせよ、元気で長く生きてほしいと思います。もちろん優先するのはQOLですが。

ちなみに、点滴を始めてから私が得たメリットは「握力が付いたこと」でしょうね。点滴袋をむぎゅーっと潰しながら液を送り込むのにかなり力を要します。いつか体力検査の機会があれば測ってみたいと思います。ちょっと楽しみ。
(おまけ:肉球のアップ)


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