もの書き写真堂も「よし!5年先の目標を立てて、それを1年、1ヶ月単位のプロジェクトやタスクに分解して、スケジュール帳に落とし込んでみよう!」と意気込んだものの、「5年の途中で収入ががた落ちになったり、消費税が20%になるかもしれないし、どうしたら?」などと考え始め、
「1年ならいざ知らず、5年先、10年先の目標なんてとうてい立てられない~!自分はダメダメ?」
と、5年後の自分の姿が全く浮かばず、正月早々落ち込みました。これは縁起悪し。
たぶん、こんな思いをしている人はもの書き写真堂だけじゃないでしょう。でも、落ち込まなくても大丈夫。長いスパンはムリだけど、短いスパンの目標を立ててうまくいく。そういうタイプの人間もいるし、それでも大丈夫だよと教えてくれる本もあります。
ここでは、自分がずいぶん助かった本や考え方を紹介し、今まさに長期目標が作れなくて落ち込んでいる人の一助になればと思います。
1 「クラウド時代のハイブリッド手帳術」(倉下忠憲:著)
この本に書かれている目標管理の話を自分のブログで取り上げておきながら、すっかり忘れて長期目標を立て、さらに落ち込んでいては身も蓋もありません。反省・・・。
詳しくは以前のエントリ「081【書感】クラウド時代のハイブリッド手帳術」を参照していただくとして、少し追記と引用を。
「大きな目標を立て、それに必要な中目標を立て、さらに小さい目標にし、そこから具体的な行動を見定めて、それに向けて邁進する」手帳の使い方や、人生戦略における目標の立て方で、こういった話をよく聞きます。トップダウン、あるいはブレイクダウン方式と呼ばれている方法論です。このような話をよく聞くということは、実際にその方法論で目標を達成している人がいるわけで、効果的な方法ではあるのでしょう。ただ、その方法論が汎用性の高いものであるかは少し考える必要がありそうです。
以前に書いたエントリの再掲になりますが、この本では「トップダウン方式の目標の立て方が汎用性が高いかどうか」の理由として次の3つが挙げられています。
- 達成したい大きな夢や目標が無い人もいる。(無理に目標を持てというのはいかがなものか)
- 立てた目標が本当に自分のやりたいことかどうか不明瞭。(人は感情に左右されるので、そのときの気分でモチベーションの続かない目標を立ててしまうことがある)
- 計画の不完全性。(1日や1週間のレベルですらうまくいかないのに、1年後、10年後の目標となったら?)
長期目標が立てられないならば、次のようにやってみるのも手です。まったく目標や達成したいこと(やりたいこと)がなければ、漫然と日々を過ごしそうですので、何らかの指標は必要です。
- 1年、1ヶ月の目標を作る。
- 定期的に見返す。1ヶ月単位、1年単位。
- 見返したら目標の再設定。
- 以上を繰り返す。
- 見返しのために、目標は「形」に残しておく(ノートなどに書き留める)。
これを繰り返していけば、5年後にそれなりの成果が出ているはずです。たぶん。
2 価値観型とビジョン型
4年くらい前にみたサイトで、アドラー心理学の人が「人間には価値観型とビジョン型の2傾向がある」と書いていました。なんで目標設定にこんな話が必要?というのは追々わかりますので、ここは我慢してつきあってください。
元サイトは検索かけても見つかりませんでしたので、その当時に作成した、ポイントをまとめたノートで説明を。
まず、それぞれの型はどんなタイプの人間かというと、
- 価値観型の人は、自分らしさや価値観を日々満たしていくことでやる気が出る。
- ビジョン型の人は、ビジョンや目標を決めるとやる気が出る。
ただ、どちらかに2分されるのではなく、両方のミックス度合いなんだそうです。そのミックスの分量によって、どっちの傾向が強いかということですね。
それぞれの特徴は、
【価値観型の人】
- 毎日毎日、自分の大事なものを満たして積み上げていくほうがやる気が出る。
- 何年後どうしたいというよりは、「自分にとって今、何が大事か」という価値観を日々の生活で満たしているかどうかが重要。
- 仕事の業種・職種を特定することは重要ではない。
- キーワードは、「自分らしさ」「こだわり」「大事なもの」
【ビジョン型の人】
- 未来を決めて、そこから今を捉える。
- 5年後、10年後にこうしたいということを発想してから今を考えていくほうがやる気が出る。
- キーワードは、「夢」「目標」
つまり、5年後、10年後の目標設定ができなくて悩んでいる人は、「価値観型」の人かもしれません。
価値観型の人は、未来が浮かばなくて不安になることがありますが、それで悩むことはありません。そのかわりに大事にしたいこと(価値観)に沿って生きているか、それを満たすにはどうしたらいいかを考えていくとうまくいくのだそうです。
だが、目的地のない旅行に出かけるように、目標がないのも心許ないので、1年の目標(計画)を立てつつ、日々、自分らしさ、こだわり、大事なもので満たしていってはどうでしょうか。
前述の倉下氏も「目標は、自分を前進させるツール」と言っています。なにか指標があるほうが、1年の終わりに「今年はこれだけのことができて、自分らしさもこだわりも大事にできた」と自信にもつながるのではないでしょうか?
前述の倉下氏も「目標は、自分を前進させるツール」と言っています。なにか指標があるほうが、1年の終わりに「今年はこれだけのことができて、自分らしさもこだわりも大事にできた」と自信にもつながるのではないでしょうか?
3 1年分の目標・計画・ゴールを作ってみる
さて、自分が価値観型の人間だと解ったところで、1年分の目標(あるいは計画、ゴール)を立ててみます。
その際注意することは、具体的に数値化することです。これについては、また前エントリーで恐縮ですが「スピードハック総決算2011でグッときた3つのこと」(1)に詳しく書きましたので、合わせて読んでいただけると幸いです。
つまり、
S:単純で一直線で
M:数値化可能で
A:現在形で表現できて
R:地に足がついた(現実的で)
T:着地点のはっきりした(期限・分量が明確)
これを意識して目標設定するとスケジュールに落とし込みやすくなり、実現の可能性もぐっと近くなります。
ただし、スピードハック総決算2011で行ったワークでも「数値化」というのはかなり難しいということを実感していますので、最初は「月1回、ブログで○○の連載を始める」という「あらすじ」を作り、そこから「毎月第3水曜日に○○の連載を書く」というように精錬していく感じで、ムリがなく、かつ具体的な数字に絞り込んでいくといいですね。
もの書き写真堂は、2012年の目標のほか、1で示した「定期的見返し」のために、
- 毎月第4金曜に自分とのミーティングの予約を入れる。(カレンダーに12ヶ月分書いておく)
- ミーティングで進捗状況を「報告」。(紙に書き出す)
- 改善点などがあれば、当初に立てた目標の軌道修正をする。
- 軌道修正に沿って、カレンダー、リマインダー、TaskChuteなどに落とし込む。
これを実行しようと計画しました。ただ「月次レビュー」という名称にすると、どうも週次レビューと混同というか、延長線上にあるような感じでモチベーションがアップしないため、「ミーティング(ひとり会議)」としました。(これは個人的な感覚ですので、ツッコミなしで)
5 おわりに
今回の敗因(落ち込み)は、
- 「みんながやっていておもしろそうだし、自分もやってみるか」と軽い気持ちで5年計画を立てたこと。
- 自分は価値観型の人間で長期目標の設定はムリなのに、それを忘れて立てようとしたこと。
- スピードハック総決算2011に参加して学習したり、倉下氏の本を読んでいたのに、すっかり忘れていたこと。
この3つに尽きます。
いやもう「まったく学習してません」という感じですね。忘れないように、モレスキンやほぼ日手帳にしっかり書き付けて、毎日見返すような習慣を作っておこうと思いました。
また、このエントリは、5年目標を立てましょうという趣旨のブログを批判・否定するものではないことを付け加えておきたいと思います。2でも挙げましたが、長期目標を立てたほうがうまくいく人もいるのは確かであり、そういう人達にはそれらは有益な情報だからです。
ただ、それが合わない人もいる、ということを理解していただきたいと思います。
もし、長期目標が立てられなくて落ち込んでいたら、この方法を試してみてください。きっと落ち着くと思います。
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