「不定期に本屋さんに行き、知らない作家の本を少なくとも1冊は買う」というルールに則って紹介する第5回目。
今回手にしたのは小森陽一・著「天神」です。
店頭でぱらぱらとめくり、最後のトラブルのエピソードで不覚にも泣いた!
鼻水が出そうになって慌ててお会計をして帰りました。
この小説は文庫書き下ろし作品で、初版は2013年3月。平積みになっていたのは2014年6月に重版になったこと、2014年夏のフェアになっていたためでしょう。購入したのは秋真っ盛りでしたが・・・。
この本に目が行ったのは平積みだったということもありますが、空自の服装とT-4のイラスト、「天神」というタイトルから、これは間違いなく航空自衛隊パイロットの物語だと確信して手にとってみました。
物語は、航空自衛隊のパイロットの卵がウイングマークを取得するまでが書かれています。主軸になるのは、祖父と父が戦闘機のパイロットで、航空学生からパイロットを目指す坂上陸。そして、防衛大のエリート、高岡速。このふたりを中心に物語が展開されます。
文庫カバーの解説によると、作者は「海猿」「トッキュー!!」「我が名は海師」の海洋三部作で2008年第1回海洋立国推進功労者表彰を受けたとありました。
漫画原作者さんですが、初の小説「DOG×POLICE」が集英社文庫から出ており、「天神」は「いつかチャレンジしてみたかった空の物語」(作者のサイトより)なんだそうです。
当方、空自に知人がおり中の話はそこはかとなく聞いていましたので、「天神」の描写はなかなかリアリティにあふれております。どちらかというと地上でのエピソード(特に食事のシーンなど)がそれで、飛行訓練の場面はT-7やT-4という訓練機ということもあるせいか、若干物足りなさを感じました。(T-4はブルーインパルスの機体だという指摘は横においときます。)
でも、すでに続編が2104年10月に出ていますので(先日購入したのでこれから読みますっ)、F-15での訓練シーンに期待です。
しかも、2014年12月16日に「天神3」が出るそうです。早く「天神2」を読まねば。
冒頭に書いた店頭で泣きそうになったシーンはネタバレになりますので、各自でお確かめくださいませ。感性の違いもありますから必ず泣けるという保証はありませんが、戦闘機モノがお好きな方にはオススメです。
↑こちらが続編の「天神2」です。
↑こちらが「天神3」です。戦競の話!?
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