たまには俯瞰してみるのも |
この5月と9月に再構築を図るも失敗。根本的にやり直さないとまた破綻することは予想できたが、今までと同じやり方ではダメだということだけは直感でわかった。
さて、どうするか?
そんなときに@shigotanoさんがタスクカフェなるものをやっているよと、あちこちから聞こえてきた。
ここは他の人から何か起爆剤になるようなものを頂戴するしかない。ということで、2011年10月15日に開催された第3回タスクカフェに参加した。みんなで集まって週次レビューをじっくりやりましょうというのが趣旨。
具体的な内容は、こんな感じだ。
- @shigotanoさんこと大橋悦夫さんと、@nokibaさんこと佐々木正悟さんの週次レビューのやり方の紹介。(約30分)
- 各自が週次レビューを実施。(約60分)
- 参加者2人による週次レビューの実例紹介。(約30分)
- 参加者から出された質問に大橋さんと佐々木さんが回答。(約30分)
- 再度、各自の週次レビュー。(約30分)
ご覧のとおり、半分の時間が各自の週次レビューに費やされる。この時間は学校の自習のように、各自が黙々と週次レビューをこなす。
【結果】
「完全に週次レビューが再構築された」とまではいかないが、だいぶ形になった。
また、自宅ではなく外に出て週次レビューを行う、加えて同じ目的の人達がひとつのところに集まって黙々と週次レビューを行うということ、それだけでもかなりの「やる気」が出た。
別に見られているというわけではないのだが(大橋さん、佐々木さんもそれぞれレビューを行っていた)、他の人がいるということがこれほど刺激になるとは思わなかった。
実は参加直前まで、「週次レビューが破綻している自分だけが、ぼ〜〜っとしてたらどうしよう?」と心配していたのだ。
さて、自分のことは置いておいて、佐々木さん、大橋さんの週次レビューのポイントを紹介。
■佐々木さんの週次レビュー■
- タスクシュートをしていると毎日レビューしているようなもの。
- 今週、今月やることをピックアップする。「やらないかもしれない」は入れない。ピックアップしても、やらないこともある。
- 「やらない」「やらないかもしれない」タスクは、「カタログ」と呼んでいるものに「追い出しタスク」を入れる(場所はEvernoteとのこと)。週次レビューはこれが目的。
具体的には、
- 基本は「今週できるか?」を考える
- やろうとしたとおりにやっているか?
- 「ログ」と「やろとしたこと」が一致しているか?(振り返り)
- 初めてやることは、かつてやったことを参照して出来るかどうか、どれくらい時間かかるか、どんなタイミングでできるか、これらをログを参照して考える。
- タスクにして(タスクシュートなどの)ツールに入れてみる。
- 「出来ないかも」と思ったら他のタスクと比較してみる。
- そのタスクの重要度は、締め切りが近いかどうかで判定する。
ちなみに佐々木さんは、「読書」と「何か」(例えば本の紹介のブログを書く)をまとめることができるのなら、あえて「読書」という単独タスクは用意しないとのこと。
■大橋さんの週次レビュー■
大橋さんの週次レビューは、「過去を振り返って未来を作る」。
だが、ただ漠然と振り返ってもダメなので、「自分への質問」を用意するのが効果的という。
具体的な質問項目は、
- やりたかったのにできなかったことは?
- 最終目的を達成するためにやったことは?
- 今うまくいっていることは?その秘訣は?
- 実は惰性でこなしているだけのことは?
- 次のステージに進むためにやめるべきことは?
- 今週使った記憶のないアプリは?(削除の方向で。特にiPhone)
- 次のステージに進むために始めるべきことは?
- 積読本のうち来週中に読み始めそうにない本は?
積読本については、だいたい最初から50ページくらいまで読んでピンと来るものがなかったら、たとえ51ページ目にピンとくるものがあるかもしれないとしても、それ以上は読まないことにしているとのこと。
上記の質問は毎週答えないものもあり(アプリなど)、必要に応じて増減させている。
また、週次レビューの際に「今週買ったものレビュー」というものもやるそうだ。だいたいはアプリか本で、
- 今週購入した物をチェックする。
- 買った理由は?
- その後使っているか?
- 役に立っているか?
- 今後の購入指針はどんなものか?
さらに、日記を読み返し、
- これはよかったから続けたい。
- これはいまいちだったからやめたい(改善したい)。
- 新たに○○を始めたい(来週以降に始めるもの)。
の3つを洗い出す。
続いて、KTPフレームワークというものを使って、続けること(Keep)、問題点(Problem)、はじめること(Try)を書き出す方法を解説。
■質疑応答■
参加者からの質問はざっくり次のとおり。
Q1:マルチタスク(○○しながら××をする)をタスクシュートに落とし込む方法は?
A1:××をする前にタスクに落とし込む。だが、そもそもマルチタスクはしないし、タスクシュートはマルチタスクに向かない。(佐々木さん)
Q2:いつかやりたいことはどうやってタスクシュートに書くか?
A2−1:いつかやりたいこと、希望などはタスクシュートに書かない。それらは「カタログ(前述)」に書く。タスクシュートには、今日やることのみを書く。(佐々木さん)
A2−2:タスクシュートは、終了時間を見るため。これは大事。やっていくと見積もりの精度が上がるので、ますます仕事がうまく回る。(大橋さん)
Q3:やらないかもしれない、できそうにない、けどやらなくてはならないことを「今週やることリスト」にするには?
A3−1:まず、カタログに書き出しておく。いきなり「今週やることリスト」にしない。(佐々木さんはEvernoteに「やらなくてもいいこと」を書いているとのこと)
A3−2:「今週やること」は、「今週とりかかること」「今週終わらせること」に変える。できなかったら次の週にまわす。(大橋さん)
それを「今週思い出すこと」にするとさらに気が軽くなる(佐々木さん)
Q4:どのくらいやったら「レビューはここまで」とするのか?
A4−1:時間が来たらやめる。今週やることを洗い出したら終わり。レビューをやっても仕事自体が終わるわけじゃないので、(延々と時間をかけるのではなく)時間が来たらやめる。だいたい見積時間どおりに終わる。(佐々木さん)
A4−2:切り上げ時間は、週次レビューを何度もやっていくうちにおのずとわかるようになる。(大橋さん)
Q5:レビューの時間はどれくらいかけるのか?
A5:人によって違うので、タイムトライアル風にやってみる。後ろに壁(誰かと会わなくてはならない、他人が決めた締め切り日がある、などのこと)を置くと「そこまで」になるので、壁は有効。(大橋さん)
Q6:破綻した週次レビューはどうやって仕切り直すか?
A6−1:破綻したら無視する。破綻したあとから新たにやる。リセットするということ。(佐々木さん)
A6−2:1ヶ月以上残っているようなタスクは捨ててしまう。(大橋さん)
Q7:週次レビュー時にサイトを読み返しているとそれだけで時間がかかって、肝心の週次レビューが出来なくなってしまうのだが。
A7:ネタフルさんが書いていたが、「よく読む」「時間があれば読む」の2つに分けて読む。読まなかったら捨てる。(佐々木さん)
Q8:週次レビューに「プロジェクトの見直し」を入れるべきか?
A8−1:タスクを作るために必要なので入れるべき。今までのプロジェクトをいったんご破算にしてプロジェクトを作り直してみるのも手。(佐々木さん)
A8−2:見直しは必要だが、過去のプロジェクトは全部やろうとしないこと。(大橋さん)
Q9:「たまにやる」タスクはどうしたらいいか?
A9:「たまにやること」のタイミングを決めて、毎週土曜日などに「たまにするべきことか?」という質問を自動で投げかけるようなシステムを作る。例えば、「水の買い置きをする」というのは「たまに」のタスクだが、買い置きをする時期を在庫の半分が無くなったらと決め、毎週土曜に「在庫が半分切ったか?」という質問が自分に来るようにしている。切っていたら初めて「水の買い置きをする」というタスクをタスクシュートに書く。(大橋さん)
Q10:プロジェクトの締め切りはツール上でどう管理しているか?
A10:プロジェクト名の前に締め切り日を入れて管理している。(佐々木さん)
Q11:惰性でやってることに気づくには?
A11:日次レビューで「今日、惰性でやったことはありませんか?」という質問を投げかける。1日の終わりに振り返り質問を自分に投げかける。全部答える必要はない。「今日会った人と話したことは?」など。(大橋さん)
Q12:コミュニケーションをタスクに入れている?
A12:「○○さんに会ったらこのことを話す」というタスクを入れている。(佐々木さん)
以上!
かなり内容の濃いタスクカフェだった。
終了後、有志でランチ会を行ったのだが、本編のタスクカフェがひとり黙々と作業を行うのがメインなので、ランチ会で近くに座った人たちと情報交換ができるというのはありがたかった。
もし、「週次レビューがうまくいかない」「週次レビューが破綻した」ということに心当たりがあったなら、一度タスクカフェに参加してみるといいかもしれない。
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