書いてあることはごもっとも。管理会社の説得に負けず声を上げるべきです。
売却することになった時にそういう不具合を隠しても、いつかは表沙汰になると覚悟したほうがいいでしょう。新しい住民が先住者からそういう噂を聞いた、人知れず話が他のマンションなどに伝わっているなど、必ずどこかから漏れると思っていた方がいいです。
そうなるとおのずとマンションの価値は下がりますし、隠していた分の「上乗せ」もあるかもしれません。
ただ、記事にあるように戸境壁や排水管など主要構造物でない部分はなかなか施工不良であるとは証明できないこともあります。売り主の子会社である管理会社から「施工不良と騒ぐと資産価値に悪影響が出ますよ」と言われれば泣き寝入りする住民もいるでしょう。
では、これが主要構造部分だったらどうでしょうか?
今年(2014年)の話ですが、横浜市のマンション(2003年施工)の支持杭が強固な地盤(支持層)に届いていなかったため建物が傾き、売り主が何らかの補償を行うというニュースがありました。
また、別件ですが良くある事例で、屋上防水施工がきちんとしておらず雨漏りが頻繁にするなど、生活に支障が出るほどの施工不良を住民が泣き寝入りするとは思えません。
ただ、この場合も管理会社が売り主の子会社であると「ぐる」になって声を上げた住民を泣き寝入りにさせる可能性はあります。
実際聞いた事例ですが、住民どころか管理組合そのものを黙らせた管理会社がありました。一応、その場しのぎの補修はしてくれるのだけど施工不良と訴えても取り付く島もないそうで、売り主に訴えることもできなかったそうです。原因究明をするにも、管理組合はだいたい建築知識のない住民が構成員です。しかも他に仕事を持っている人が多く、どうやって管理会社を飛び越して売り主に訴えるかという知識も時間もありません。
新築マンションの場合、引き渡しから2年は主要構造部分以外も(アフターサービスの名目で専用部分についても不具合があれば対処してくれるのが一般的)、さらに10年間は主要構造部分について売り主が瑕疵担保責任を負います。
ですが、住民の多くは建物が傾いた、雨漏りがしたという大きな被害が無い限り、自分の専有部分のみにチェックの目が行ってしまうのは仕方がないことです。でも、ここで少なくとも管理組合が気をつけていなければ、あっという間に10年が過ぎてしまいます。
では、何も気づかずに10年経った場合はどうにもならないのでしょうか?
隠れた瑕疵については10年が経過しても補償請求できる場合があります。その機会が訪れるのが第1回目の大規模修繕です。
大規模修繕は施工後およそ11年〜13年後に行われるマンションの補修ですが、ここで表から見えない主要構造部分(柱、梁、天井など)に瑕疵があった場合、原則として発見から1年以内に買い主が売り主に瑕疵担保責任を求めることができます。
ここで気をつけることがひとつあります。
それは、大規模修繕工事の施工監理会社を管理会社とは別に選定することです。
特に管理会社が売り主と「共謀している」場合はなおさらです。一級建築士事務所などマンションの大規模修繕工事の経験のある会社に依頼することで第三者の目が入り、管理会社のもみ消しという最悪のシナリオも防ぐことができます。
それでも、10年以内に住民が不具合を見つけ、管理組合役員でなくても声を上げていくのが理想です。管理会社から「価値が下がる」と言われてそのままにしていると、年数を経るごとに不具合箇所が悪化し被害が広がってしまうと目も当てられないことになりますし、さらに価値が下がってしまい売却に支障が出るのは必至です。
価値が下がるからおとなしくしていろというような管理会社の担当者(フロント)だったら、ますその上司、あるいは支店長にかけあってみる。それでもダメなら会社ぐるみと判断して、管理会社の変更を検討するほうがいいかもしれません。
ということで、今後も自分が体験した大規模修繕、管理会社あるある、管理組合理事長の不正などを不定期に書いていこうかと思っています。
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