この虫が飛び交うと初雪が訪れることから「雪虫」と呼ばれていますが(諸説あるみたいです)、本名は「トドノネオオワタムシ」といいます。
この虫は雪が降る前に突然現れるため、子供の頃からその生態が気になっていました。どこから来るのか、体を覆う綿のようなものは何か?
今でも毎年、雪虫を見るたびに「調べてみよう」と思いつつも忘れていました。
「月刊たくさんのふしぎ 雪虫」(石黒誠:文・写真、福音館書店:発行、税込720円)
2013年11月号(第344号)と約1年前の月刊誌ですが、今の季節(9月)に店頭に並べるのはとてもタイムリーだと思いました。
売り場は、子供向けの本が並ぶフロアでした(後で一般向けの科学コーナーでも見つけました)。
福音館書店のサイトを見ると、対象は小学3年生からとあり、「1冊1テーマ、科学、生活、歴史、あらゆるテーマを常識やぶりの新鮮な切り口でとらえ、掘り下げます」という趣旨の雑誌です。
さて、第344号の「雪虫」ですが、文章は小学校3年生向けに漢字にルビが振られています。
しかし、その語り口は決して大人がしゃがんで語りかけるようなものではなく、わかりやすい言葉をなるべく使いながらも科学者が普通の人に向けて語っているようです。
そのため、大人でも読みやすく、雪虫の生態解説本としても手元に置いておきたくなります。
おそらく筆者の経歴が、東京農業大学卒業後に富良野市博物館の学芸員をされていたということに起因するのだと思います。
また、写真も筆者が撮影したとのことで、再度経歴を確認すると、現在は写真家として独立し富良野を中心に動植物の生態などの取材を続けているそうです。
現物を見たことのある方なら納得すると思いますが、わずか数ミリの雪虫をこれだけきれいな写真で捉えているのはすごいですね。
(閲覧注意的な写真もありますが(^^;) |
北海道の方はぜひ、この本を手に取ってみてください。
道外の方は、ぜひ一度、雪虫が舞っている姿を見に来てください。ただし、「この時期に乱舞するよ!」という予想が難しいのですが。
最後に、この本との出合いを提供してくださったジュンク堂書店札幌店さんにお礼申し上げます。
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