2013年8月28日水曜日

535 猫便秘騒動顛末記



猫が便秘した。だいたい毎日排便があるのだけど、数日間それがない。
2頭飼いだが、体の大きさのせいか、うんちの大きさが違うので、目を離したときに排便されてもだいたいどっちのかがわかる。それから判断しても、4,5日は出てないことになる。これはちょっと放っておけない状態だ。

小さいときから時々便秘になったり、大きな地震が来たり、来客の子供に執拗にかまわれるとストレスで便秘になる猫だった。
だが、今回は思い当たる節がない。ごはんもちゃんと食べている。
猫は便秘をすると吐くことがあるらしく、それもまだ1,2回。直近の3日間はそれもなく食欲は正常。7月くらいからややうんちの出が悪かったので、もの書き写真堂が漢方を処方してもらっているところに「麦門冬湯」という薬を処方してもらった。
少し改善したものの、それでも今回の便秘に至ってしまった。

ネットで猫の便秘を調べてみると、「ビオフェルミンで出た」「イージーファイバーを与えたら出た」などとあった。
Twitterでも小夏パパ@wafu_572pさんから「犬ならビオフェルミン与えればOK」というメッセージをもらったのでやってみたが、2日経っても出ず。

先の漢方のお店に相談して、今度は「桃核承気湯」という、桜餅みたいなおいしそうなにおいのする漢方を処方してもらった。これを夜ご飯に混ぜて与えれば翌朝には出るはずとのこと。
しかし、トイレには行って踏ん張るけど出ない。じゃあ、夜に2包にして与えてみてとの指示で与えたところ、翌朝起きてみると普通便、軟便、こってりした水状の便と3種混合のものが。え〜っと、普通便の大きさからこれ、もう一方の猫の排泄物?
多頭飼いだと、夜中など見ていない時に排出されると、こういうことが起こる。


くだんの猫が排出していないとしたら、もう自分で対処できることはない。万策尽きました。
ネットでは「病院なんかとんでもない。自分で猫に浣腸する」というのもあったけど、浣腸ってそんなに簡単にできるもんじゃないというのは身をもって体験している。ここは行きつけの動物病院で診察してもらうのが最善策だろうということで、行ってきました。

何をされるか理解できない猫には病院に行くだけでストレスなので(自発的に行く人間でもストレスですが)、それも猫となるとケージに入れるだけでひと苦労。なぜワンコたちは普通に抱いたり、リードだけで病院に連れて行けるんだろう。うらやましい・・・。

診察に当たってくれたのは、2人いる先生のうち、猫に詳しい先生のほうでした。
まずは定番の指で便を排出する処置。グリセリンとおぼしきものをつけた小指とはいえ、異物がおしりから入るわけで、猫は泣き叫ぶわけです。飼い主のほうが歯を食いしばってしまいました。こないだ大腸の内視鏡やったからね、わかる、その辛さ。
でも、先生も考えてくださっていると思う。男の先生だから、一番細い小指を入れているのだろう。

しかし、根元まで入れても何も出てこない。次はレントゲンで様子をみることに。
だが、これもまったく何も写らなかったのだ。つまり、うんちは体内に全くなし。
「今朝の大量の排泄は、この子なんじゃないですか?」と先生に言われるくらい、きれいさっぱり腸には何も入ってないそうだ。加えて、朝方食欲がなく、ねこ缶を4分の1ほどしか食べてなかったので、胃もほとんど空っぽ。まるで手術前の入院患者のよう。

えー、じゃあ、漢方は効いたわけね。つか、効き過ぎた?
それでも、過去にも便秘を繰り返しているので念のため血液検査をしましょうということになった。診察の時に体重を計ったところ、1キロも落ちていたのも気になるとのこと。食欲などが変わっていないのにそれほど落ちるのが問題らしい。

痛い思いをするなら一度にということで、ついでに猫エイズと猫白血病の検査もしてもらうことになった。これは1キットで同時に行えるんだそうな。血液をキットに垂らして反応をみて判断するという仕組み。

血液検査は院内で10分ほど待つと結果が出た。
猫エイズ、猫白血病はいずれも陰性。
肝臓、赤血球、白血球、内脂肪など問題なし。だけどやや、ホントに「やや」だけど気になるのが腎機能だと先生。正常値からほんの少し外れているのが気になるのだという。

猫って腎臓の病気になることが多く、しかもうちの猫、片方の腎臓がもう片方より小さいというレントゲン結果が過去に出ているので、気を付けねばと思っていたので、飼い主としても気になるところ。
先生曰く、万が一、さらに数値が落ちていったら腎不全になる可能性がある。そうなると人間もそうだが、完治しない。なるべく病状が出ないように抑えていく処方しかない。そうなると早めに手を打っておいたほうがいいと説明を受けた。

一回の血液検査ではなんとも言えないので、再度の血液検査と、それに加えて尿検査でタンパクの出方なども調べる必要があるとのこと。ただ、現在の便秘がちゃんと治った後でということに。
予防、治療としては食事療法と投薬になるそうで、ちゃんと犬猫用の腎臓病向けの餌(カリカリ、ウェットとも)があるそうだ。ただし、おいしくないからなかなか食べてくれない。なぜかというと、犬猫用の腎臓病食も人間の食事療法と同様、塩分をカットしているから。
でも、普通の餌でもそれほど塩分は入ってないはずだと思うのだけど。特にねこ缶なんてなめてみたらわかるけど、人間には塩分なんて入ってないように感じる。
とりあえず、試供品をもらって帰宅したので、便秘が完全に治ったら食べさせてみようと思う。

総括。

病院に行く前にある程度のことを試すのはありだと思う。漢方の処方は、きちんとした信頼のおける薬剤師とのつきあいがあればこそで、猫がもの書き写真堂の漢方のにおいが好みだったことがヒントになって処方してもらったものだ。(自然のものは動物にも合うという考えも。)
だが、浣腸などある程度の技術を要するものは、ネットの知識を鵜呑みにせず、信頼のおける獣医に相談してから始めるか、やめるか決断するほうがいいと思った。

そう判断したので、今回の通院となったわけだが、結果的に懸案だった猫エイズの検査もできたし、腎臓病予備軍だとわかったことは成果だったと思う。本猫には辛い思いをさせたが、これからのにゃん生を健康で生きてもらうためと理解してくれるわけはないけど、その後のアフターケア(なでる、毛繕い、マッサージなど、その猫にとって普段心地よいと感じていることをしてやる)をすることで、「嫌なことをした人」という汚名を返上するしかないだろうなぁと。

便秘との因果関係は不明だったが、腎臓病との関連も全く無いとは言い切れないそうで、いろいろ合わせると本猫も飼い主も大変だったけど、今後の対処に着手するシグナルとして有効だったという結果になる。

たかが便秘、されど便秘。
猫が高齢になるにつれ便秘しやすくなるそうだ。
現在(2013年)、11歳。今後は便秘の他にも高齢による症状が出てくると思う。室内飼いやフードの良質化で猫も寿命が延びたが、それによる新たな問題も出てきているとも聞く。将来は猫の介護の問題も十分考えられるだろう。

執筆時点(2013年8月28日)で通院から2日目だが、昨日は液状の便が漏れ、あちこちに点在する状況の対処に追われた日だった。さらに高齢になれば、こういうこともしょっちゅう起こるのだろうと思いつつ対処していた。それでも最後まで責任を持って面倒をみる。これが動物を飼うときの一番の責務なんだと思う。

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