2013年8月1日木曜日

514 J:COM 札幌主催「円山動物園バックヤードツアー」に参加した



先日、J:COM 札幌から「円山動物園バックヤードツアー」参加募集の案内メールが届いた。
昨年も応募して落選したので、今年こそ!と応募メールには住所氏名などの必要条項の他に、「ツアーの様子をブログに書きたいのでぜひ!」と一文追加して送信。
その成果があったかどうか、見事当選!やった〜!
ということで行ってきました。


エクササイズを兼ねて円山公園から動物園までウォーキング。しかし、この後、園内を約2時間ほど歩くことになろうとは・・・。

正門から入ったところ。右手にJ:COMの受け付けが。
このツアー、今年が2回目で40名の定員に毎年抽選が出るほどの人気ぶり。普段見られないバックヤードが見られるとあっては、そりゃあ行きたくなりますって。
ツアー自体は無料ですが、各自入園料がかかります。もの書き写真堂はまた行きそうな予感がしたので(アニメ「しろくまカフェ」とのコラボ企画をやっていたのだ)、年間パスポートにしました。大人1000円。
ちなみに1回の入園料は大人(高校生以上)600円、中学生以下、札幌市内在住の65歳以上の人は無料です。

左手に一般入場敷地を見ながら職員専用通路を行きます。
さて、ツアーはAとBの2班に分かれて別ルートでバックヤードを回ります。(回る順番が違うだけで、行く場所は同じです。)
その後に、動物園の人オススメの見所を紹介してくれました。

冷蔵庫の中に入って見せてもらいました。
まず、最初に行ったのが動物たちの食料の冷蔵庫。
参加者に子供達も多かったせいか、ここでクイズが2,3出されました。
まずは、「円山動物園の動物たちの年間の食料費はいくらでしょうか?」
かなりの数の動物がいるから千万円単位だろうとは当たりが付いたが、それでも3000万円かなぁと思ったら、およそ5千万円だって。へ〜。
もらった資料によると2013年6月現在で184種829点。これらの食事代。限られた空間であまり運動ができないため、肥満から来る病気予防のためにしっかりカロリー計算をしているのだそうです。
だれかの1食分っぽい。
大量のりんご。いい香りがしておりました。
「お!らいでんスイカだ!俺も今年まだ食べてないのに」という声がw
「よつば特選牛乳」。お高めの牛乳ですよ、これ。 おいしいです。
卵は誰が食べるのでしょう?ヘ、ヘビ?(汗)
野菜いろいろ。
こちらはお隣の冷凍庫。肉と魚が保管されていました。
冷気で前がよくみえません。肉眼でもこんな感じでした。
次は、肉食獣のごはんになるヒヨコを見せて、「このヒヨコはオスでしょうか?メスでしょうか?」
これはみなさん、予想が付いたようで「オス!」と答える人が大多数。卵屋さんから除外されたオスのヒヨコを購入しているんだそうです。
(この写真あるのですが、人によってはショッキングなので掲載を控えました。でも、参加者のみなさんは気持ち悪いとか、かわいそうとは言わず、真剣に向き合っているようでした。)

ちなみに肉は鶏肉のみで、これは生肉で動物に与えるため。牛や豚は生で与えると寄生虫やウィルスの危険性があり、人間のように焼くなどの調理ができないので鶏だけなのだそうだ。その鶏肉も頭からつま先まで付いた丸まんまを与えるのだが、こちらはメスのみ。これはオスよりメスのほうが脂肪分が少なく、カロリーを抑えるためにメスにしているそうです。

ここで、説明してくれた飼育員の人からお話が。

普段、僕達が食べている切り身の鶏肉なんかは、ニワトリの形なんかを意識しないですよね。毎日のように食べている卵だって、卵1個の裏に、オスのヒヨコがこうして処分されていることを考えると、残したらいけないよなぁって思いますよね。そうやって、いただいた命のありがたさを感じて、ひとつひとつの食材を大事に食べてほしいなぁと思います。

この話には、さっきまではしゃいでいた子供達もし〜んとなってしまいましたが、きっと「感謝して食べる」ことの意味について彼らなりに理解してくれたんじゃないかと思います。
担当のおにいさん、「いやぁ、重い話になっちゃった(^^;」と恐縮していたけど、こういう話は大事です。


次は、お隣の「園内動物病院」。ここには文字通り病気やけがをした動物が治療するところですが、そのほかに高齢で展示を終了した動物たちの療養所ともなっています。
ちょうど、入り口すぐのところに40歳になるヒグマが入所していました。人間で言うと90歳を超えたおばぁちゃんだそうで、下半身が動かなくて職員が定期的に体の位置を変えているのだそうです。人間で言うところの床ずれ防止ですね。

動物園では、飼った動物は最後まで面倒をみます。みなさんも一度飼ったら最後まで面倒をみてあげてください。興味本位で飼わないでください。昆虫だから、は虫類だから飼いやすいといった安易な気持ちで飼わないでください。
野生のものもそうです。弱っているところをかわいそうだから保護した。でも元気になったし、うちではこれ以上飼えないから再び野生に返すということもやめてほしいんです。というのも、一度人の手から食べ物を与えられたら、自分で取ることができなくなってしまうんです。

介護を受けている高齢ヒグマの前での説得力のあるお話でした。
前者はペットブームでかわいいだけで飼ったための動物の末路を連想させますし、後者は保護か見捨てるのかなど難しい問題が潜んでいて、もの書き写真堂も良案が思いつきませんでした。

ただ、生き物を飼ったら、たとえメダカ1匹でも大型犬でも最後まできちんと面倒をみること、これだけはここに来ている子供達や大人にもしっかり記憶に刻んで忘れないでほしいなぁと思った次第。
重たいけど、いいお話が聞けました。


次に向かったのが、熱帯動物館。キリン、シマウマ、カバ、ダチョウなどがいます。
「日本一臭い場所です」と、先ほどの重さを払拭するためか、園内職員からジョークも。
この熱帯動物館は昭和40年代の建築で、当時は先進的な構造物だったそうですが、現在はかなり老朽化しているため「アフリカ館」の建設を予定しているのだそうです。動物たちにとって、もっと開放的なスペースになるとのことです。

職員の作業通路を歩きます。
さっそく関係者入り口から作業通路へ。扉を開けた途端、子供達が「くさい!くさい!」と鼻を押さえてはしゃぎだしました。うん、確かに臭い。しかし、もの書き写真堂は子供の頃、酪農家の同級生の家に遊びに行っていたので、しばらくするとこの臭いにも慣れました。原体験というのは必要ですな。
作業通路から中央を撮影。奥の方に一般客の通路がある。
作業用通路の脇にはシマウマのごはんの牧草が。
作業中。猫車に載っているのは・・・
夏場は主に屋外で過ごし、夜になるとこの館内で過ごすという生活パターンだそうで、昼間は作業員が内部の清掃を行っていました。この様子は一般入場者も見学できるようになってます。(屋内展示場としての通路があります。しかし、動物もいないし臭いためか誰もいませんでした。)

北海道にゴキブリはいないが、年中適温のここには何かに
付いてきたゴキブリが出るので、ゴキブリホイホイを利用。
作業通路の奥に台所があり、先ほどの冷蔵庫から運ばれた食材がここで「調理」(小分けなど)されます。
そこにあったのが、でっかい卵。ダチョウの卵だそうで、参加者全員に持たせてくれました。1.5キロあるそうです。目玉焼きにしたら10人前とか。
円山動物園にいるダチョウは全部メスなので、これは無精卵。ヒナはかえりません。


「なぜオスを入れて繁殖させないんですか?」と質問したところ、「動物園で飼育するための個体数が足りているので、いまのところ繁殖させる必要がないんです。もし不足するようになったら、動物園同士でオス・メスを譲り合って繁殖させます」ということだそうです。

しろくま、母と子。
バックヤードツアーはここで終了。次は、動物園オススメのスポットに案内してもらった。
まずは、やはりここは外せないでしょう、という一番のスポット。今年生まれた双子のしろくまくん。って、もうかなり大きくなってました。でも、はしゃぐ姿が子供ですね。正門から一番奥、世界の熊館におります。

きょうだいであそぶ。 

次は、は虫類・両生類館。お母さんほか女性も多かったけど、みなさん楽しそうに見てました。苦手な人はいなかった模様。もの書き写真堂は好きなほうです。オーストラリアで見たマツカサトカゲがいたのには感動。あとは目のきれいなトカゲが何匹かいました。ガラス越しでちょっと撮影は難しいですね。(デジイチだったらPLフィルターを付けてなんとかなったかな?)

看板のトカゲがかわいかった。
この建物の入り口には生育ラボみたいなところがあって、両生類など寿命の短いものを育てて展示を継続させているのだそうです。世界的にも事例が少ないトカゲの孵化に成功したという説明と、生まれたトカゲ本体も展示されていました。

次は、わくわくアジアゾーン。ここは2012年12月にオープンしたばかり。
うちの猫みたいに開きになって口を開けて寝ているヒマラヤグマとか、ガラス近くででろ〜んと寝ているトラとか、おおよそ夜行性の動物は寝姿がほとんど。これはこれで面白いですが。

口を開けて、死んだように動かないヒマラヤグマ。
「トラも寝ると意外とぺったんこになるでしょ?」と職員さん。猫もそうですよw
レッサーパンダのいるところは、一部柵があるとはいえ、人間が中に入るような感じになってます。頭上の渡り木を行き来する様子が見られます。が、レッサーパンダも夜行性、1匹は微動だにせず寝ておりました。もう一匹は昼にもかかわらず起きてごはんを食べたり、通路を行き来したり動いていましたが、園の人の話によると「結構ムリして起きている」そうです。

寝とる。肉球が毛に被われている?見えない!
かわゆす。
以上でツアーは終了。アジアゾーン前で解散となり、この後もの書き写真堂は他の動物舎の見学と「しろくまカフェコラボ企画」を見に行きました。


今回のイベントは、単にバックヤードを見てオススメスポットで動物を見学するものと想像していましたが、動物の飼育について、生き物をいただく(食べる)ということについて改めて考えさせられたツアーでした。参加した子供達もなにがしかの気づきを得てくれたらいいなぁと。
最後になりましたが、ものすごく貴重な体験をさせていただいたJ:COM 札幌さんと円山動物園の方々に感謝いたします。また、来年以降もこの企画を続けていただけるようお願いいたします。
ありがとうございました。

0 件のコメント:

コメントを投稿