2013年9月21日土曜日

556 「お買い得」に惑わされないために


先日、auショップにiPhone5sの料金の件で聞きに行ったとき、こんなことを言われました。

「お持ちのiPhone4sを下取りに出すより、まずiPhone5sに機種変更した後、その4sを新規回線として契約するんです。このほうがお得ですので、皆さんにお勧めしているんですよ。私も折りたたみケータイとスマホの2台持ちです」

と、ラミネート加工したB4くらいのチラシを示して、ショップのおねいちゃんはにっこり。
えーっと、2回線持ちになってどこがお得なんで?

「まず、LTEプランにすると無料通話分がなくなります。なので、4sでいままで通りのプランで契約して無料通話分を確保します。それにデザリングを4sで行うほうがお得なんです」

だから何がいくらお得なの?2回線持つと言うことは持ち出し、つまり総支出額が増えますよね?(それに今までの契約ならデザリングはできないということに帰宅後に気づきました。)
そう言ったら、おねいちゃん、黙ってしまいました。

それに、どれだけお得なのか、数字で示すことは一切ありませんでしたし、ラミネートチラシにもそれらしき数字はありません。「人によって契約プランが違うので表示していません」って言い訳すればよかったのにね。と、イジワルなことを思いつつ、ふと、スーパーなどで「1個で158円、2個買うと300円でお得!」といったチラシを見かけることを思い出しました。
買う物の種類はちと違うけど、まあ、おつきあいください。

例えば、自分が必ず消費するものであれば、2個まとめ買いしてもいいと思います。たとえば台所用スポンジなどの日配品、ねこ缶(1個いくら、5個買うと1缶につき5円引き、という売り方でしたが)、牛乳などの食料品、などなど。
ですが、ここに一つの落とし穴が。

必ず消費するものであっても消費期限があるもの、それもかなり短いものは要注意。たとえば牛乳ですね。家族がたくさんいて2本なんてあっという間であればいいのですが、一人暮らしなどで1週間に1本程度であれば2本目の消費期限はかなりきわどくなります。これで何度泣いたことか。←学習すれ。

2本目を捨てるのであれば、たとえ割引で安かったとしても実際2本目の価格分は処分している計算になり、お金も無駄になっているということになります。なので、ここで1本158円として2本買うと300円としますと、16円のお得どころか、2本目をまるまる捨てた場合は150円分の損失になってしまいます。300円で1本の牛乳を購入したと考えるとわかりやすいでしょうか?

余談ですが、昔、高校の英語の教科書に「1個1ドルで売れなかった商品を2個3ドルにしたらバカ売れした」という話が載っていて、英語の文法の勉強より商売の勉強だなぁと思った記憶があります。消費者心理を上手く突いて成功したよ、みたいな話だったと記憶してますが、まさに「2個で買うとお得」という感覚が人間には刷り込まれているんじゃなかろうかと思いますね。

さて、自分がしょっちゅう消費するものであれば2個いくらのセールは大変お得です。
ですが、ここでもうひとつ気を付けることは、初めて買うものや、最初からひとつしか使わないであろうことが分かっているものです。

初めて買うものが1個目で気に入らなかった。この場合、2個目をムリして使うか、捨ててしまうか、人それぞれでしょうが、ムリして使って事態が悪くなったりしたら、さらなる出費の恐れがあります。(例:合わない化粧品を使って肌が荒れた→皮膚科のお世話に)

最初から1個しか使わないという事例では、もの書き写真堂、先日の入院で体験しました。
それは入院案内にあった「赤ちゃんのおしり拭き」を1個用意するというものでした。看護師さんの説明によると、手術直後、麻酔が効いているあいだにそそうをしたり(術前に浣腸しているのでめったにないらしいですが)、下血したときに使用するそうです。
ドラッグストアに行ったところ、赤ちゃんのおしり拭きは1個売りと2個パック、3個パックがありました。当然、1個あたりの単価は、2個パックや3個パックのほうが安くなります。

だが、待たれよ。
安いからと言って3個パックを購入し、その3個を全部使いますか?という話です。入院の際に使用するのは、万が一のためです。もしかしたら1個使い切るどころか1枚も使わないかもしれない。それに自宅や親戚、知り合いに赤ちゃんがいない場合、未使用品を差し上げるということもないだろうから、残ったらゴミ箱行き確実です。
実際、1個だけ購入したおしり拭きは入院中には使用せず、他に使い道も見つけられなかったためゴミ箱行きになりました。

ここでも、1個あたりいくらを考えるのではなく総額で考えたほうがいい、という話です。
いくら単価が安くなっても、捨ててしまうのならお金のムダ。
ちんまい話かもしれませんが、ちりも積もれば山です。それに意識の問題も絡んできます。「2個いくらのほうが安い!」と思わず購入してしまうパブロフの犬状態を抜け出すことも大事です。
そのためには日頃から意識して、「果たして2個も使う?2個目を捨てたらその分のお金はムダになる」という考えがセール品の前に立った時に浮かぶようにしないとなりません。

これは冒頭のiPhoneにも当てはまりますね。果たして2台も利用する?
答は、「しませんっ!!電話もデザリングもほとんどしません!」
じゃあ、iPod touchでいいじゃん!というツッコミは無しでよろしくです(汗)。

お後がよろしいようで。

【こちらもあわせてどうぞ】
同じ商品の週末特売価格と通常お徳用サイズの価格でも、単価計算してみると意外な結果に、という話をiPhoneの電卓アプリにからめて書きました。

545 買い物をするときに便利な電卓アプリ「フュージョン計算機 FusionCalc」

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