先日の佐々木正悟(@nokiba)さんのセミナーで出てきた「認知資源」について、もうすこし考えてみた。
というのも、何となく経験的に解っていたことだけど、きちんと認識して行動していない、ということに気づいたからだ。
朝はやる気があってなんでもこなせるような錯覚に陥り、午後は「やる気が無いとか眠いのは、昼ご飯を食べたせいだからしょうがないよね」と、どんどんやる気がなくなって終業時間を迎えるのが当たり前だと思っていた。そして、「午後にやろうと思ってた仕事は明日に回せばなんとかなるよね」と先送りに。
だが、経験的に解っていることというのは、なかなか解決しないのだ。これも経験上よくわかっているところ・・・。
なぜ、どうしてそうなるのか、これが理路整然と解れば、対処法も考え付く。(対処法も習慣化しないと身につかないという話は、この場では考慮しないことにするっ)
認知資源とは、行動のエネルギー、ゲームで言うところのMP(マジックポイント)。過去エントリのおさらいとセミナー内容の補足になるが、まとめると、
- 認知資源は起きた直後が一番最高の状態。
- 夜になるにつれ、なにもしなくても認知資源は減っていく。
- 認知資源は寝ると回復する。寝るというのはキャッシュの開放に似ている。
- 休憩にも認知資源は使われるが、それでも休憩は必要。
- 頭を使う休憩はしない。ものを見るだけでもエネルギー使う。
- 認知資源は、タスクを切り替えることによっても消耗する。
- そのため、1日にこなせる総タスク数にも限界がある。
- 認知資源は、一度に使える量、連続して使える量も限られている。(いざとなったときのために全部なくなるのを本能的に防いでいる模様)
- 数に限りがあるのにタスクを小分けにするのは、いざというときのため。
- 休憩は区切りという意味で大事なので、タスクの区切りとしての休憩をいれる。この休憩では「なにもしない」。
- 脳は、認知資源があればあるだけ使ってしまう。たとえTwitterであってもたくさん認知資源が残っていれば、あるだけ投入してTwitterをやってしまう。
- 認知資源が多くある時間帯は大事なことをやる。
- 残った認知資源・少ない認知資源でできるタスク、大量に認知資源を使うタスクを見分ける。
夢や目標を達成するための大事なタスクは朝一番(ファーストタスク)に持ってくるのが重要だとよく言われる。これはタスク管理をしている人には鉄板な理論。朝一番に認知資源の量が最大であるということからも、うなずけるわけだ。
さて、上記の認知資源の特徴を踏まえて、もの書き写真堂が仕事中のタスクを見直した結果が次のとおり。
反省点は、
- タスクに優先順位をつけるも、認知資源をどれだけ使うかを考慮していない。
- 重要な仕事だからと長時間、あるいは「このタスクが終わるまでやる!」と頑張ってしまう。
- 休憩していない。ひどいときはトイレにも行かずに没頭している。
- メールチェックのみのはずが、延々と返事をしたり、メールで振られた仕事に無計画で処理を始めている。
- 心理的にイヤな仕事は「午後からやろう」で、結局「明日にやろう」と先送り。
見直した結果は、
- 優先度の高い仕事(タスク)に必要な認知資源の量を割り出す。
- 優先度の高い仕事(タスク)は認知資源の分量を勘案しつつ、午前中に処理する。
- あまり認知資源を必要としない仕事(タスク)を午後にもっていく。
- 1タスクに長い時間をかけない。
- 休憩を意識して入れ、タスクの区切りとする。ただし何もしない。トイレ程度。
- メールチェックと処理を(可能な限り)分離する。(タスクを分ける)
- 気持ち的にイヤで手を付けられないけど必ずやらねばならないことは、朝いちタスクの次に持ってくる。
これをTaskChuteで管理し、上から順番に、あれこれ考えずにタスクをこなしていけるようにすることも肝心。
ただ、どれだけ認知資源が必要か(どれだけエネルギーを食うか)は過去の記録・経験がないと割り出せない。蓄積のないものは試行錯誤していくしかない。
以上は当たり前のことだが、この「当たり前」というのがくせ者。当たり前だから深く考えず感覚、直感でやろうとする。そうすると「先送り」が発生する。
改めて、先送り・認知資源・タスク管理は関連性が深いとわかる。
さて、新年度開始のあわただしさもそろそろ落ち着いたころなので、いつものルーチンに戻る。その前にTaskChuteのタスクの順番を見直しておこう。
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