さて、本書では「逆算式人生5カ年計画法」を5つのポイントで解説し、引き続きワークを行っていく。(カッコ内はワークの番号)。
- 幸福(7,8)
- 仕事(9)
- お金(10,11,12)
- 恋愛、家族(13)
- あなただけの、大切なこと(14)
Part3の今回は、ちょっと飛ばして、「3お金」について見ていく。やりたいこと、悔いのない人生を送るためには避けて通れないというか、切実だよね。
1何のためにお金を貯めるのか?
それはもう「老後の生活のため」という答えが一般的だろう。
本書で紹介されているが、80歳の老人に「宝くじが当たったら何に使いますか?」とインタビューしたところ、「老後のために貯金します」という答えが返ってきたというエピソードは笑えない・・・。
いつまで、いくら貯めれば安心なのか?
人それぞれだけど、自分なりの指標もない、ただ漠然とした不安に駆られて貯めている人も多いんじゃないだろうか。かくいうもの書き写真堂もその一人。とほほ。
(長期バカンスの習慣のあるヨーロッパの国々では)人生は貯金のためではなく、今を楽しむためにあるということを、彼らは知っているのです。
注:カッコ内は、もの書き写真堂が前節を要約したもの。
著者は、1,000万円以上貯金がある人は、お金のために大切な人生の時間を無駄にしている恐れが高い人だという。
なぜ、お金の貯めすぎがよくないかというと、人生を楽しむことを置き去りにしてしまいがちだからです。お金にケチな人は、ケチな時間の使い方しかできなくなり、ケチな人生しか送れなくなりがちなのです。
賛否両論あると思うが、ケチケチしすぎるのは良くないよ、むやみやたらに将来の不安だけで貯めることを目的にするのはよくないよ、ということなのだろう。貯めたあげくに死んじゃったら、それこそ何のための人生だったのやら、と後悔するだろう。
参考になったのが、投資に関する以下の話。ちょっと長いけど引用。
株をやり始めると、相場から目が離せなくなります。(中略)携帯サイトやパソコンでチェックして一喜一憂するようになると、そのために多大な時間とエネルギーを奪われてしまいます。
もし、株で大損したとき、そのために失ったお金と時間を「まあいいや。十分に楽しんだし、いい人生勉強になった」とあきらめることができるならいいと思います。
それはできそうにない、きっと思い出すたびに悔しくてしょうがないと思うなら、その人は投資をやめたほうがいいのです。
はい、銀行から勧められた投信、やめました。いや、まったくそのとおり・・・。
これはグッときた。
お金にまつわる普遍的な真実――それは「お金は、ほどほどにあるのが一番いい」ということです。
(中略)
人間の幸、不幸を決めるのは、毎日をどのように過ごしているか、“時間の過ごし方”です。取り戻すことのできない時間こそ、人間にとってもっとも貴重な財産なのです。
また、何のためにお金を稼ぐのか、そのお金を使って何をしたいのか、何を実現したいのかもじっくり考えてみる必要がある。それは、
お金は貯めるより、上手に使うほうがはるかに難しいのです。
ということだからだ。わかる気がする。つまり「生きた金の使い方をせよ」という、我がモラ母の教えに通じるのだ。
2ある朝突然、貯金がゼロになっても悔いのない生き方を
老後のためとひたすら貯めたお金。それが使えずに終わるのは、死ぬときばかりではない。
もしかしたらスーパーインフレが起きてお金の価値がゼロに近くなること。つまり、せっかく貯めたお金が消えるということも考えられる。全くあり得ない話じゃない。
筆者は、一番あり得る例として、関東大震災規模の地震が起きて経済が壊滅的な状態になり、スーパーインフレが起こる可能性を挙げている。
将来のために我慢してきた人生がパー。そんな人生を想像してみたときに、「こんなことになるんだったら、もっと楽しんでおけばよかった」と思ったら、「お金という幽霊」にとりつかれて人生の真実を見失っている可能性大だという。
お金は失っても取り返しがつきます。ところが、あなたの人生の時間、とりわけ、大切な人と過ごす時間は、あとでどれほど「もっと大切にしておけばよかった」と後悔しても、二度と戻ってくることはないのです。
「お金という幽霊」にとりつかれて人生のもっと大切なものを見失っていないか?
このことを試す思考実験が、ワーク10だ。
「もしスーパーインフレで、お金の価値が突然ゼロになったら・・・」
- 明日突然、日本にスーパーインフレが起きて、コツコツ貯めてきたお金の価値が100分の1になったとする。そのとき、どんな思いに襲われるだろうか? 「 (当てはまる言葉を入れる)」とつぶやきたくなる。
- そのとき、「ああ、あのお金で、これをしておけばよかった」と後悔することは何か?何のためにお金を使っておくべきだったか?
まずは第1問。もうこれは誰でも答えは共通に違いない。
使っておけばよかった・・・orz
2番の答え、もの書き写真堂は、こんな感じ。
- 一眼レフのレンズ、ストロボ、それとレフ板を買っておけばよかった。
- 国内外の旅行に行けばよかった。
- ちょっと行ってみたいと思ったお店(カフェやレストラン)に行けばよかった。
- 移動の際にケチらずにタクシーを使えばよかった。
- 宿泊時にグレードの高いホテルに泊まればよかった。
これでも、自分でびっくりするくらい物欲大魔王な答え。しかし少額、しょぼい・・・。
3自分なりの「お金の哲学」をもつ
お金に振り回されず、上手に使って生きていくために、筆者は次の3つの「お金の哲学」を挙げている。
- 貯蓄額に上限を設ける
- 無目的に貯金をしない
- 「そのためにこそ、お金を使いたいこと」の優先順位をつくる
1の「貯蓄額に上限を設ける」のは、ある程度たまったら、「いや、もう少し貯めないと心配かな」と、どんどん金額が上がって際限がなくなってしまうから。リスクの火種を消して回るだけの人生になってしまうからだ。
そんなお金の奴隷にならないために、「それ以上やみくもに貯金するのはやめにしよう」と貯蓄額に上限を設けるのだ。
2の「無目的に貯金をしない」は、貯金は金額を積むのが目的ではなく、幸せを追求するためにするもの。マイホームを持つことが一番の夢というのでもない限り、なんとなく家を買って30年ローンを背負い、やりたいことを我慢して終わる人生は寂しくはないかと筆者は問う。
確かに、なにかわくわくするような目的のために貯金したいものだ。
3のお金の優先順位を付けるのは、当たり前だが、よほどのお金持ちでもない限り使えるお金は限られているから。そこで優先順位を考える際に重要視してほしいのが、これまでやってきたワークでもくり返してきた「今これをしないと後悔する」「今これをやりたい!」ということ。
幸せになるためにお金を使いましょう。あまり節約、節約と考えて、節約や貯金そのものが人生の目的になってしまうと、あなたの人生そのものが「節約バージョン」のスケールの小さいものになってしまいます。これは、避けたいものです。
ということで、お金に関する残りのワーク11,12を紹介して、今回の締めとしたい。
ワーク11
「お金についての3つの哲学」
- 自分を「お金という幽霊」にとりつかれないようにするため、「これ以上は、とりあえずは貯めない」という「貯蓄額の上限を設ける。
- 「この目標を達成するために、お金を貯めたい」と思う具体的な目標があれば、それを書き出す。
- 「これのためだったら、お金を使いたい」「納得して使うことができる」と思えることを3つ挙げて、ランキングを付ける。
ワーク12
「これから5年、悔いの無い人生を生きるための『お金とのつきあい方』」
- これから5年の人生を考えて、お金とどう付き合うか、思いをめぐらす。
- 「たとえ5年後に死んだとしても、悔いは残らない」と思える人生を生きていくために、何にどんなふうに、思い切ってお金を使っていく必要があるか考える。
- 逆に、どんな目的を達成するために、どれだけの金額を貯めておく必要があるか考える。
- 以上を踏まえて、心に浮かんだことを書き出してみる。
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「とりあえず5年」のワークをやってみた
Part1 残り半年の棺桶リスト
Part2 残り5年の棺桶リスト
Part3 お金に関するMy哲学←いまここ
Part4 「いつかしたい」は「今やる」!
Part5 逆算式人生5カ年計画法を具体化しよう
Part6 最終回 やらないことを決める
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