2015年4月17日金曜日

1071 見ているようで見ていないということ

昨日、とあるお店で瓶詰めピクルスを買いました。しょっちゅう買うもので、ちょっとお安くなっていたのです。
それは搬送用段ボールの上部を切って床面に積まれていました。POPには「ピクルス 298円」と書かれてあったと思います。1本取り上げ賞味期限を確認した後、カゴに入れレジに向かいました。

さて、帰宅してしばらくしてから、ピクルス瓶を開けようと手にとりました。
おや?なんか赤いものが多数浮遊してる。ピクルス液もいつもより透明感がないし。

え? ”Hot and Spicy with Chile” ?

普通の、プレーンなピクルスを手にしたはず。
なぜなら、店頭で賞味期限を確認した時に瓶の前(ラベル)も後ろ(中味が見える)も見ているはずなのだから。

しかし、こんな事は日常茶飯事に起こるのです。若い自分からのことなので性格かなぁと思っていたのですが、どうもそうじゃないようだと思うようなムービーに出合いました。
もう2年近く前(2013年6月)のものですが、世界一のスリ、アポロ・ロビンスという人が人間の知覚(とくに視覚)の弱点を利用して、被験者はもとより多くの聴衆の目の前でズボンのポケットのお札どころか、はめていた腕時計まで盗み取ってしまうという映像でした。


ロビンス氏は映像のなかで、「実際見えにくいのは目の前のものだし、普段目にするものこそ見えなくなりがち」と言っています。
その事例を示すように、彼は聴衆に向かって「あなたのスマホの右下のアイコンはなんですか?画面を見ないで言えますか?では、確認してみてください」と言います。
しかし、これが彼の本来意図する質問ではありませんでした。
次に彼は「スマホの画面を見ずに、今何時か言えますか?画面に表示されていましたよね?」と問いかけます。

たしかに画面は見ています。アイコンを確かめているのですから。なぜ見ているはずなのに覚えていないのでしょう?それとも画面の下の方だけにしか視野がなくなっていたのでしょうか?視野狭窄?

彼はその原因を「注意力」で説明します。
「何を知覚するか、その人の現実を繰るのは心の入り口である『注意なのです」

注意していないと気づかない。
そうか、ピクルスの瓶を見たとき、賞味期限の部分しか注意が行っていませんでした。見ているようで見ていなかったというより、注意が向けられていなかったのでビン全体が視界に入っているのに認識していなかったのですね。
記憶力が悪くなったとか、そういう性格だったということではないようです。ほっとすると同時に、このロビンス氏のように他人の注意力を操る人が近くにいたら・・・ちょっと恐ろしいですね。

さて、冒頭写真のむちゃくちゃ辛そうなピクルスですが、辛いのが大好きな友人にプレゼントすることになりました。プレーンはもっかい買いに行きます。とほほ。

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